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一期一会の資料館  佐久市 龍岡城五稜郭より

掲載日/2012年7月
「五稜郭であいの館」資料館の中の様子

五稜郭といえば函館ですが長野県の佐久市にもありました。龍岡城五稜郭です。写真を見ると確かに綺麗な星型、早速訪ねてみました。

 上信越自動車道佐久ICからR141を清里方面へ車で20分程度の所、正面入り口には「五稜郭であいの館」という資料館兼休憩所のような建物がありました。中に入ると資料が展示されていて奥には休憩用のイス、テーブル、年配の男性と女性が居て「座ってお茶をどうぞ」と言われ、ちょっと驚きました。普段はセルフサービスのようですが「今日は偶々」と蕨のお浸し付きでお茶を出してくれました。川上村の蕨との事でたいへん美味しかったです。ここは無料の資料館(火曜日休館)で地域のボランティア83人が交代で見学者へサービスしているとの事で、今に至るまでのいろいろな話を聞かせてくれました。

パネル展示/五稜郭を上空から撮った写真

 大手門の前の橋から堀を渡りますが、橋の上から左右を見れば鋭角に突き出た石垣が星型の堀を想像させます。龍岡城五稜郭は函館の五稜郭の3年後慶応3年(1867年)藩主松平乗謨(のりかた)により築城されましたが一部未完成だったようです。松平乗謨は明治維新後大給 恒(おぎゅうゆずる)と改名し佐野常民とともに日本赤十字社の前身である博愛社の設立と育成に貢献しました。大手門の右にその碑が建てられています。

五稜郭のお堀

 中に入るとグランドがあり小学校が見えてきます。明治になり城は取り壊されましたが当時の御台所が昭和30年頃まで学校として使われていた事から、この敷地に小学校ができました。御台所は敷地内で移築され現在資料館として佐久市教育委員会の管理になっています。黒門から堀の外に出て周囲を歩いてみました。
堀の周囲は約700m、函館の五稜郭の3分の1程度で大きなもので はありません。堀には桜が植えられています。今日はひっそりとしていますが花の時期は賑やかになるのでしょうか。そんな時期にまた来たいと思いながら資料館へ戻り、おばあちゃんにお茶と蕨のお礼を言って帰りました。

セルフサービスのお茶とお漬物

 観光スポットとしては松本城や上田城みたいにメジャーではないので、せいぜい有っても駐車場とトイレ位かなと思っていましたが、規模は小さくても訪問者を歓迎する地域の皆さんの精神には感銘を受けました。五稜郭も勉強になりましたが資料館でお茶を飲みながらお話を聞いた僅かな時間に「今日は良い観光をしたな」と思いました。

 「地域の人とのふれあいも観光のひとつ」と言われる昨今、なるほど「見るだけ、見せるだけが観光ではないな」と改めて納得させられる信州佐久の五稜郭でした。