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味の表現も伝統 信州伝統野菜、坂城のねずみ大根から

掲載日/2012年11月
赤蕎麦畑までは少し歩きます

京野菜、加賀野菜などその地域で古くから栽培されてきた在来種の野菜は伝統野菜と呼ばれていますが、長野県では信州伝統野菜として現在63種類が認定されています。認定の定義は「昭和30年代以前から栽培されている品種であること」「当該品種に関した信州の食文化を支える行事食・郷土食が伝承されていること」「当該野菜固有の品種特性が明確になっていること」とあります。

笹屋ホテルから僅か10分程度、お隣の坂城町には、その形からねずみ大根という辛味大根が信州伝統野菜として認定されています。ねずみ大根のしぼり汁をつけ汁にした「おしぼりうどん」はねずみ大根を使った代表的な郷土料理です。

どこまでも広がる赤蕎麦畑

 2年前、上信越自動車道坂城ICから国道18号線に出る交差点に坂城町地場産直売所「あいさい」がオープン、野菜、くだもの等の直売のほか、「おしぼりうどん」も食べられる食堂も併設されました。11月はねずみ大根の収穫時期、お店と畑を訪ねてみました。
 店内にはねずみ大根の他、地野菜、きのこ、果物など秋ならではの食材が並び、特にねずみ大根はキャラクターがついて郷土の味を盛り上げてます。
 スタッフの方に聞いて、畑も案内して頂きました。畑は坂城ICから国道18号線に下る道路の両脇、景色が良く遠くにはアルプスも見えます。

 坂城町は中央に千曲川が流れる扇状地、降水量が少なく果物栽培にて適してしますが畑は小石交じり、野菜の適作地とは言えませんが、この自然環境がねずみ大根の本来の風味を出しているとのことです。

赤蕎麦に黄色い蝶々

 11月に入ると寒さから身を守るため、大根内部に澱粉質をさらに蓄えることから辛さ以外にも甘みを含んだ奥行きのある味になるとか、確かにしぼり汁を口に含むと舌触りがやわらかく、甘みを感じます。但し、辛さは通常の大根の2倍とか、初めての方はお店で食べ方を教わってからのほうが無難です。

どこまでも広がる赤蕎麦畑

 坂城町では昔からこの味の表現を「あまもっくら」と言います。実際に味わった事がないとイメージするのが難しいかもしれませんが、郷土が育んだ伝統野菜のねずみ大根、味の表現もまた伝統かなと、ひとり感心して日当たりの良い斜面を下りました。

 地域の食文化とともに育まれ、他にはない多彩な味と香りを持つ信州の伝統野 菜は種類もいろいろ、県内各地にあります。

 信州の道の駅の数は全国3位、地元野菜の直売所もたくさんできてきました。
目的はその土地ならではの新鮮な野菜に出会うこと、そんな贅沢な旅はいかがですか。