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日本いちご生産発祥の地 小諸市御牧ヶ原の「こもろ布引いちご園」~前編~

掲載日/2012年12月
こもろ布引いちご園のいちご畑

12月になると真っ赤ないちごが店頭を飾るようになります。信州から見ればいちごは静岡県や栃木県が有名、信州のいちご生産となるとピンと来ませんが、いちご生産の始まりは信州という案内に驚き、「こもろ布引いちご園」を訪ねました。

 場所は、牛に引かれて善光寺参りの伝説で有名な小諸市の布引観音の近くで、日帰り温泉施設「あぐりの湯こもろ」の敷地内にあります。多忙の中、時間を頂いて組合長さんから話を聞くことができました。

小諸市御牧ヶ原には元々野生のいちごが群生していましたが、酸っぱいのでそのまま食べず調理しておやきの具に使っていたそうです。明治維新により西洋よりイチゴジャムが入ってきたことから、この地のいちごが脚光を浴び、いちご栽培が定着、国産ジャムとして東京、横浜へと出荷されました。製缶技術は島崎藤村も赴任した小諸義塾の木村熊治が指南と言われ、当時は、はんだ付けだったそうです。

御牧ヶ原の原種

無名の野生のいちごは御牧ヶ原1号、2号と名づけられ、その後西洋の苗と交配し改良を重ね、他県に広がりました。特に静岡ではさらに品種改良され有名な石垣いちごにも繋がりました。

いちごの特性にあった気象条件から最盛期の昭和初期には数十ヘクタールあった畑も第二次世界大戦により砂糖の不足、食料増産政策等、時代の流れにより自然消滅に向かいました。当時の盛況は御牧音頭の歌詞の中からも伺えます。

 他県に渡って、長い年月を経て品種改良された苗は、御牧ヶ原1号の命名から60年後の2000年1月1日、小諸市の事業「こもろ布引いちご園」のいちごとして故里の地で再び生産されるようになりました。
生産方式に斬新な方法を取り入れる事により品質と味は高く評価され、最近は専門家の見学や取材も多いようで、当日も他の取材か、カメラが回っていました。