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姨捨は月と棚田と純米酒 姨捨正宗蔵元 長野銘譲株式会社

掲載日/2013年2月
長野銘譲株式会社

 日本の代表的なお酒である清酒の消費量は年々減少し、笹屋ホテルのある千曲市でも造り酒屋といわれる蔵元は現在1軒のみとなりました。
今回は千曲市姨捨地域にある蔵元、長野銘譲株式会社を訪ねました。

姨捨正宗

元禄二年(1689年)創業以来三百年余り、当時と変わらない昔ながらの手法でお酒を造っています。 銘柄はその名も「姨捨正宗」、新酒造りは今が最盛期で4月上旬まで続きます。お願いをして一部見学させて頂きました。
白衣をお借りして酒蔵へ、「ここで造られるお酒は全て手造りの純米酒で樽の数は少ないですが、地元の米と姨捨地域の伏流水を使ったこだわりのお酒です」と蔵元の課長さん。特に「棚田」と名づけられた銘柄は姨捨棚田のお米のみを使っているそうです。発酵中の樽からは甘い香りが漂い、なんとも良い気分です。発酵中は炭酸ガスも出るのでその香りもあるそうです。びん詰めまでには20以上の工程があって覚えきれず、製造工程表を頂きました。

蔵の見学

長野銘譲さんでは、予約をすれば蔵見学をさせて頂けるとの事。また3月の第三か第四の土曜日には朝10時から夕方4時まで「蔵開き」としてイベントを開催。見学、試飲など500人ほど訪れ、賑やかな一日になるそうです。2月中旬には自社のホームページで日程が発表されます。

日本酒の味と香りに対する基本的な考え方としては、和食に合い、毎日飲んでも飽きない、日本人の日々の生活に寄り添える事だそうです。良いお酒は悪酔いしないと言われますが純米酒にこだわるのもそう言う事からなのでしょうか。「蔵開き」のイベントを開催するのも、もっと日本酒を知ってほしいという事からだそうです。

特別純米酒「棚田」

「日本酒は米と水、日本人のDNAと合うはずですよ」と課長さん。最近は「聖山(せいざん)」という新銘柄のお酒を県外中心に販売を開始しました。姨捨正宗は県外の人からはその文字からマイナスのイメージが先行されがちの為、「聖山」を切り口にその醸造元を逆に辿ってもらいたいという思いからとか、お酒の販売にもマーケティングでした。聖山は姨捨山と並んで千曲市では代表的な山で普通は「ひじりやま」と呼びますが、お酒は聖なるものなので「せいざん」と読むことにしたそうです。

新銘柄「聖山(せいざん)」

 芭蕉も恋する名月、百選の棚田と夜景、三大車窓の姨捨駅。姨捨地域は人気の観光スポットになってきました。この地域に古くから創業し、その水と米を使って清酒を造る長野銘譲さんもまた地域の名所、姨捨を醸している蔵元と言えるのではないでしょうか。