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食べやすさも新種の甘さ  高級葡萄「ナガノパープル」

掲載日/2013年8月

 果物王国といわれる信州、もちろん葡萄の産地としても有名です。
特に国道18号線沿線の小諸市から須坂市までは巨峰の名産地として知られています。信州を代表する高級葡萄として珍重された巨峰ですが、皮や種の扱いが面倒という事や他県の新種の誕生にその人気も押され気味ようです。信州ワインが注目され、ワイン用の葡萄畑が増加する昨今ですが、巨峰に替わる新たな高級葡萄が誕生し、にわかに注目を集めています。

直売所「ぶんぶく亭」

 品種名はナガノパープル。
「巨峰」と「リザマード」という2種類の葡萄を交配、長野県果樹試験場で開発され平成16年に品種登録されました。巨峰と同じ位の大きさですが、糖度は18~21%と巨峰より高めで種が無く、皮のまま食べられるのが特徴です。
笹屋ホテルでは2000年頃から夏には夕食のデザートや売店の商品として扱っていることもあり、話を聞いてみようと生産者の農業穂法人サカイエフ・キューブ(有)の酒井社長さんを訪ねました。

 場所は千曲市内、農園は平地との事で戸惑いましたが、こちらの農園では加湿ハウスIT管理栽培として平地を利用しているということで納得しました。温度管理や日当たり具合など設備の環境調整には随分苦労したそうですが、データやノウハウの蓄積から、4月の後半に雪が積もるような異常気象にも対応できたそうです。
以前レポートした小諸のイチゴ農園でもそうでしたが、美味しい果物作りもこれからは異常気象にも負けないITを駆使した技術なのかな?と感じました。

 ナガノパープルは長野県各地で生産が始まっていますが生産量はまだまだ拡大途上のようです。ハウス栽培品の出荷は8月にはいると終わりますが、9月上旬からは路地物の出荷が始まりますので、お店で見かける事があると思います。高価な葡萄ですが、一度試されてはいかがでしょうか。

 「食べてみてください」と出されたナガノパープル、糖度計ではなんと24.9%と出ました。試食とはいえ、かなりできの良い房のものを選んで頂いたようです。皮と一緒でも甘くてとても美味しいですし、半分噛んでも果汁が流れないので手もべた付きません。
品種登録された平成16年から15年間は長野県でしか生産はできないとの事、貴重で超高価な葡萄と解っていただけに、ふた粒以上は手が伸びませんでした。