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ここは鎌倉 古刹「中禅寺薬師堂」

掲載日/2013年10月
中禅寺

 由緒ある古いお寺を古刹といいますが上田市の塩田平には信州でも古刹の中の古刹中禅寺薬師堂があります。約800年前の建物で中部日本最古の木造建築として国の重要文化財に指定されています。

 塩田平一帯には信州の鎌倉と呼ばれるほど鎌倉時代から室町時代にかけて作られた神社仏閣が多数残っています。これは鎌倉時代中期の北条氏のひとり、北条義政が1277年に信濃国塩田荘に遁世し、それ以降50年間3代にわたってこの地を治めたことから鎌倉風の仏教文化が栄えた為です。
前山寺や安楽寺の八角三重塔、北向観音は有名で訪れる人も多いですが今回はまだ行ったことがない中禅寺を訪ねてみました。上田市街から無言館、前山寺へと車を走らせます。お彼岸の3連休ともあって県外からの観光客で賑わっています。前山寺前から別所温泉方面に道なりに走れば10分程度で入り口看板が見えてきます。手前には塩野神社があり、ここも由緒ありそうな古い神社ですが今回は立ち寄りませんでした。

 中禅寺の本堂は再度の火災にあって現在の本堂は享保19年(1734年)頃といわれています。本堂前には大きな駐車場が整備されています。参拝料は200円、受付にはだれも居ないので、おや?と思った時に駐車場前にあるお店から職員さんが出てきて受付、パンフレットを渡されました。本堂からお目当ての薬師堂までは50mほど歩きますが両側に植えられたドウダンツツジは赤く色付いています。

自然石を使った礎石にあわせた柱

周りがまだ緑なのでとても綺麗に映えます。仁王門には金剛力士像、その奥が薬師堂です。古い建物ですが、屋根は葺き替えられていて曲線が綺麗です。周りの草も刈り込まれていて全体にすっきり明るくて清潔感が漂う佇まいです。薬師堂には薬師如来像が鎮座していますがこちらも国の重要文化財に指定されています。
また、感心したのは床下の部分、自然石を使った礎石にあわせた柱の加工線が巧みの技を感じさせます。薬師堂の向かいは道を挟んで枯山水風の庭園があります。これは最近のものですが鬱蒼とした林よりもすっきりとして圧迫感がなくて爽やかな風情です。受付で「帰りにお茶飲んでって」とお店の職員さんに言われていたので、参拝の後に寄ってみました。正式にはお休み所「ちょん休庵」といいます。赤い毛氈が敷かれた椅子に座ると「ゆっくりしていって」とお茶と5種類の漬物を漆塗りの様な小皿で出して頂きました。無料のサービスでなかなかのおもてなしです。

お寺とドウダンツツジ

 1品をお土産に買いながらちょっと話を聞きました。周辺の有名なお寺や神社よりは圧倒的に参拝者は少ないですが、それでも最近は徐々に増えてきたとの事で観光バスも入って来る時があるようです。後ろが山なので10月下旬頃から紅葉も綺麗との事でした。

 今日はお彼岸3連休なのに先祖のお参りの方も疎ら、観光目的のお客さんも少ないですが、その分赤く染まったドウダンツツジを眺めながらのんびりと鎌倉の空気を楽しめた気分です。