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味わいは深く 信州松代の長芋

掲載日/2013年12月
長芋畑の向こうにはアルプスの峰々

  笹屋ホテルからは30分程度の長野市松代町にある海津城は、川中島の戦いで武田軍が陣を構えるために作られた城で現在は松代城跡として整備され無料で見学ができます。何度か訪れた場所ですが映画「清洲会議」のロケ地に使われたということから久しぶりに訪ねることにしました。国道403号線を松代町に入ると上杉軍が陣を構えた妻女山が見えてきますが道路沿いには松代町名産の長芋畑が広がっています。元々千曲川だった砂地は長芋作りには適していて一時は全国の6割ものシェアを持っていたようです。ちょうど収獲が始まった時期、あちこちでバックホーを使って畑を掘っていました。信州ではなじみの長芋ですが芋掘り作業は見たことがないのでちょっと寄り道することにしました。

長芋の収穫風景

 一人で作業しているおじいさんに事情を話すとバックホーを動かしてくれました。枯れた蔓を少し残してあとは綺麗に取り除いた畑の畝(うね)と畝の間をバックホーで1m位の深さで掘り進んでいきます。一旦機械を止めて掘った溝の中に入り、蔓の残りを目印に更にスコップで掘り、最後は折れないように左右の芋を手で掘り出します。掘り出すというより横に取り出すといったイメージです。大変な作業ですが昔は全てスコップでやっていたのでずっと大変だったといいます。

収穫されたばかりの長芋

 長芋は太いほうが良いのですが7月頃の雨の降り具合で左右されるそうです。雨が少ないと芋は地下の水分を求め細長くなってしまい、また雨が多すぎると割れてしまうそうです。今年は異常気象だったのでどうですか?と訪ねると長芋にとっては雨のタイミングは良くて、なかなか良い出来だそうです。他県でも長芋は作っているけど「松代の長芋が美味いな」と笑って話をしてくれました。いろいろ教えて頂いたお礼を言っておじいさんの畑を後にしました。今日は快晴、車のバックミラーには長芋畑と雪化粧の北アルプスが綺麗に写っていました。

松代城跡

 寄り道が随分長くなってしまいましたが松代城跡は10分程度で着きます。城の裏側の駐車場から入りましたが道中には民家や畑があって正門とは違いのんびりとしたアプローチです。お堀、石垣以外は後に作られたものですが敷地内は綺麗に整備されています。桜の頃は賑やかになるそうですが今日はそれほど観光客もなく静かな晩秋の風景です。

 櫓の上に登るとここからも雪化粧の北アルプスが綺麗に見えます。松代はアルプスを見るには良い位置にあって、ちょっと羨ましくなりました。桜の葉は随分落ちていよいよ平地にも本格的な冬の到来を感じさせます。秋の長芋堀は雪が降る前までとおじいさんが言っていました。大変な作業なのであまり急かせないでほしいものです。