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「いろいろ研究してみて…」 善光寺西街道 青柳宿

掲載日/2014年7月
善行寺街道青柳宿の看板

 松本方面から聖高原を超えて千曲市に入り善光寺に至る道(現在の国道403号線沿い)は善光寺西街道と呼ばれていました。かつて善光寺詣で賑わった街道で、いくつもの宿場がありました。観光地化もされている大きな宿場とは違い、今は忘れさられたように、それぞれひっそりとした集落になっていますが所々で当時の面影を見ることができます。
 篠ノ井線坂北駅近くの青柳宿には隣の麻績宿へ至る山道を容易に往来できるように、大きな岩を削った「切通し」があります。
1580年(天正8年)当時の領主青柳頼長により整備されたもで街道の名所として紹介されています。

青柳家本陣の黒門

 青柳宿は坂北駅正面の坂道を車で上がるとすぐに案内板が出てきます。案内板には「ご自由に」と青柳宿ガイドマップが用意されていました。
地図を参考に「切通し」まで車を走らせます。街道沿いは現代風の家に変わっていますが各家の表札には屋号があり、また石垣用水路や青柳家本陣の黒門など、当時の面影を残しています。
案内板から5分程度で「切通し」に出ます。手前には駐車場があるので、ゆっくり散策できます。バスは無理ですが普通車であれば「切通し」を抜けて麻績にでることも可能のようです。道路に面した岩肌には鑿(のみ)の跡があって当時の苦労が想像できました。また上部には旅の無事を祈る石仏も掘られていて、旅人を大切にする、如何にも宿場らしい優しさも感じられました。

大きな岩を削った「切通し」

 見学後、元の道を戻りましたが、気になったのが各家の玄関に飾られた花輪のような物。本陣黒門の前に公民館があり、地元のおじいさんが数人居たので聞いてみました。
輪になっていますが、もともとは真っ直ぐな竹に色紙を飾ってお祭りのときに使うそうです。祭りの最後の取り合いの場面で手にした人が持ち帰り、輪にして玄関に飾り、厄除けにするとのことでした。また、本陣の話を聞いてみると「久星のかりんとう」の創立者は本陣青柳家出身と教えてくれました。感心して聞いていると「いろいろ研究してみて、また来たら」とニッコリ。青柳宿の歴史や文化に誇りが感じられました。

祭りの最後に取り合う厄除けの飾り

 青柳地区には恩を感じたキツネが火の用心をしてくれたという伝説があって、山手にある里坊稲荷神社を大切に守っています。訪れた日はちょうど、おじいさん達が神社の草刈りをして公民館に戻って来たところでした。7年に一度、御柱祭の翌年には狐の嫁入り行列が賑やかに行われるそうです。
「いろいろ研究してみて」ぜひ訪れたいものです。