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信州上田の観光、もうひとつのテーマ 名作映画のロケ地巡り

掲載日/2014年10月
映画のまち うえだ-ロケ地マップ-

 2016年の大河ドラマが真田丸に決定したことから上田城跡公園の見学者も随分増えているようですが、上田地域は豊かな自然環境に加えて全国的に稀な少雨地帯であり、歴史的な家並み等、日本の原風景が数多く残っていることから数多くの名作映画のロケ地となってきました。最近では「晴天の霹靂」の浅草の劇場として上田市内の歴史ある映画館が使われました。上田市はまた、製糸業でも発展した地域。富岡製糸場が世界遺産となって、市内の製糸業関連施設も注目され始めたと聞きますが、今回は上田市の映画のロケ地をテーマに取材してみました。

柳町の街並み

 平成13年に信州上田フィルムコミッションが設立されてからは誘致活動も更に活発化し、現在では映画やドラマの等を合わせて年間100本以上の撮影が行われています。

 上田フィルムコミションは上田城跡公園正面入り口にある観光会館2階にあります。階段には映画とロケ地となった場所の案内パネルがたくさん展示されていました。ロケ地散策の相談すると担当の方がロケ地マップを用意してくれました。上田市中心市街地だけでもかなりの撮影場所があり、とても回りきれませんので今回は1976年、2006年と2度制作された「犬神家の一族」で同じ場面が撮影された柳町と上田蚕種(株)を訪ねることにしました。柳町は金田一耕助(石坂浩二)が最初に登場して那須ホテル女中(坂口良子・2006年は深田恭子)にホテルの場所を訪ねるシーンで使われました。上田蚕種(株)は事件担当の那須警察署正面が撮影された場所です。

上田蚕種(株)

 最初に訪ねた柳町はかつての北国街道の宿場で撮影された時よりは随分整備されていますが古い街並みの雰囲気は今も残しています。撮影時のカメラ位置を聞いていたのでその場に立ってみると、なるほどと映画のシーンが甦ります。柳町には地酒店、お蕎麦屋さん、レストラン等もありますので上田城跡公園とともに中心街の散策コースとして立ち寄られてはいかがでしょう。近くには池波正太郎真田太平記館もあります。

 次に訪ねたのは柳町から車で5分程度の上田蚕種(株)です。文字通り蚕種(蚕の卵)を供給する会社で現在も操業しています。大正6年頃の建物は登録有形文化財に指定されていて当時の面影を変わらず残しています。受付で名刺を出して見学のお願いをすると奥から社長さんが出てきて「よし、判った!」とは言いませんでしたが、中を案内していただきました。

上田蚕種(株)

建設当時と変わらない廊下、事務所を見ると「犬神家の一族」以外にもたくさんの映画のロケ地として使われてきたことが容易に想像されます。「最近は製糸業が注目されているのか、昨日はバスで40人見学に来たよ」と社長さんが言っていました。映画のロケ地にして製糸業を支えた文化財の建物、管理するのも大変だな…と思いました。

 上田市観光会館2階は無料休憩所にもなっていて、ロケ地もマップを見ながら親切に案内してくれます。映画ファンであればロケ地を見学して再びその映画を見てみるのも面白いのではないでしょうか。