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温泉街を見下ろす城山の今昔物語 「荒砥城址公園」

掲載日/2014年12月
荒砥城址公園入口

 戸倉上山田温泉の裏手、温泉街を見下ろす城山には城山史跡公園「荒砥城址」があり、夜にはライトアップされています。
荒砥城は当地一帯を治めていた地方豪族の村上氏支族にあたる山田氏により1524年に築城されたと伝えられています。本郭の標高は590m、眼下を流れる千曲川からはおよそ220mの比高差があり、上田城方面、善光寺方面の双方を見わたせる重要な位置にある山城でした。
当時の建物は全く残っていませんが、平成7年に復元されました。敷地はそれほど広くはなく、山城というより砦というイメージです。身近にありすぎてなかなか行かない場所ですが、お客様からは「あれはなんですか?」と度々聞かれます。そろそろ晩秋も終盤、冬が来る前に久しぶりに上ってみることにしました。

荒砥城址公園内

 温泉街からは車で10分程度で荒砥城址受付に付きます。途中には善光寺大本願の別院が あります。今日は特別な行事もないので参拝者は疎らでした。受付を済ませて舗装された 坂道を5分程歩くと物見櫓が見えてきます。以前来た時には櫓に上ってみましたが 上田市方面、長野方面の双方が遠くまで見えて、確かに戦略上重要な場所であることが 容易に理解できました。

確かに戦略上重要な場所であることが分かる

今回は残念ながら工事中ということで櫓には登れませんでしたが、それでもここからの景色はなかなかのものです。紅葉のピークは終わったのでちょっと残念でしたが今日はぽかぽか陽気、のんびりした気分で散策できました。
ここはNHKの大河ドラマでは「風林火山」と「江」のロケ地としても使われました。柵で囲われた本郭の中には小屋程度の建物しかありませんが戦国時代の砦シーンを撮影するには確かに都合がよさそうです。

 荒砥城址公園が整備される前の城山には麓からミニロープウェイや遊園地があり、たいへん賑わった場所でした。
全国各地の名所を紹介するTVサザエさんのオープニングに登場したのを見た記憶がありますが、日本の高度成長期真っ只中の頃で随分昔の話です。
バブル崩壊後の平成4年にロープウェイは廃止され、遊園地もなくなりました。山頂の駅舎跡が当時の面影を残していて、時代の流れを感じさせます。

ミニロープウェイ跡地

 温泉街からの道中は坂がきついので雪が積もるようになると車で上がるのも大変になりまので雪が積もる前か、春にでも一度上ってみてはいかがでしょうか。
櫓の工事が何時終わるかが気になりますがけっこう穴場です。

 兵庫県の竹田城のように天空の城とは言えませんが、ここの物見櫓からの景色なら、 天空の砦…?
これはちょっと大風呂敷でした。