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遊学散歩 松代町 「佐久間象山先生」

掲載日/2015年2月
象山記念館

 真田十万石の城下町として観光スポットとなっている長野市松代町、来年のNHK大河 ドラマが「真田丸」に決定したことから上田市同様、益々観光PRも盛んなようです。 徳川の臣下となっていた真田幸村の兄、信之は父の所領を継ぎ、上田を居城としますが 1622年松代への移封を命ぜられ、真田氏による松代藩の治世が始まりました。 真田氏宝物館、真田邸、真田氏の菩提寺もあることから真田氏ゆかりの観光地として 知名度が高いですが、今回は江戸時代後期の松代藩士で幕末公武合体派の開国論者また 兵学者、朱子学者でもあった佐久間象山(さくまぞうざん)(1811年~1864年)についてのレポートです。

象山神社

 先ず松代観光案内所に立ち寄って観光地図を貰い、真田邸、宝物館のある真田公園から歩きましたが、10分程度で象山記念館に着きます。完成は1967年、その後展示室を増築し思想家、兵学者、科学者など様々な面を持つ象山を紹介しています。
象山は1833年に江戸に出て海外の事情を研究、洋学の知識を身に着け、1850年には深川の藩邸で砲学の教授を始め、勝海舟、橋本左内ら多くの人材を輩出しますが1854年 門人の吉田松陰のアメリカ密航事件に連座し、松代に蟄居を命ぜられます。その後蟄居を許されて上洛した際、尊王攘夷派に暗殺されました。

旧白井家表門

 記念館には10分程度ですが象山の生涯をわかりやすくビデオで紹介していますので、最初に視聴されることをお勧めします。館内には遺品や愛用の品々をはじめ、象山自作の電気治療器や医療用蒸留器など先進的な機器の数々(レプリカもあります)が展示されて、幕末の志士であり科学者でもあったと言われるのが良くわかります。
象山を祀る象山神社が記念館の前にあり、参拝を済ませて観光案内所方面へ戻りました。 松代文武学校の手前には松代藩士であった旧白井家表門、旧樋口家住居があり、無料で見学できます。旧白井家表門の中は休憩所になっていて、松代文化財ボランティアの会の方々がお茶の接待をしながら周辺文化財の案内をしています。

ちょっと覗いてみるつもりだったのですが「まあ、まあお茶でも飲んで」と半分強引に座らされて、講釈が始まってしまいました。
面白かったのは、会の方が吉田松陰の関係で萩市に問い合わせする時に「吉田松陰の事で…」と話を切り出すと「それは松陰先生の事ですね?」と向こうの方は必ず先生を付けて聞き直すということで、会の方も最初は戸惑ったそうです。向かいにある文武学校は8代藩主・真田幸貫が象山らの意見を受けて 蘭学・西洋砲術などを積極的に取り入れた藩校として建設を目指し1855年に開校しました。見学客の中にはスペイン語でガイドを受ける外国人のツアーがあって興味深く説明を受けていました。

長塀のある道路

 NHK大河ドラマが「花燃ゆ」が始まり、ヒロインの兄ということで吉田松陰先生が登場していますがNHKのHPを見る限り佐久間象山は登場人物に紹介されておらず、少々残念です。やはり「先生」が足りないのでしょうか? 象山記念館には駐車場もありますが天気の良い日は観光案内所で地図を貰ってのんびりと散策をお勧めします。