戸倉上山田温泉「笹屋ホテル」全室源泉100%の温泉宿戸倉上山田温泉「笹屋ホテル」全室源泉100%の温泉宿

るぽ信州るぽ信州

山塩と歌舞伎の里 南信州大鹿村

掲載日/2015年5月

 南信州の大鹿村は映画「大鹿村騒動記」で大鹿歌舞伎とともに有名になりましたが、山里ながら塩が採れる珍しい地域でもあります。地図で見る限りでは信州でも有数の秘境という感じがしますが、それでも大鹿村そのものが映画の舞台となっているのも魅力、道中は覚悟しながら訪ねてみました。

歌舞伎舞台

 長野自動車道を松本方面に走り岡谷JCTから中央自動車道に入り松川ICで降り、県道を小渋ダム方面に40分程度走り大鹿村役場前に到着しました。ダム沿いの道は曲がりくねって途中狭いところがありますが道路は整備されていて思ったより楽に着くことができました。観光案内所に行き、観光地図を貰い、歌舞伎舞台や南アルプスの見えるカメラスポットの場所を教えてもらいました。
最初に訪れた歌舞伎舞台は、映画のロケになった大碩神社にある舞台です。舞台は閉められていたので中は見えませんでしたが、映画で見た印象よりは小さく、全体にこじんまりしていました。ここでの公演は5月3日、おそらく隙間なく観客で埋め尽くされると思います。

カメラスポットの新小渋橋

大碩神社を下り、教えて頂いたカメラスポットの新小渋橋へ行きました。
天気も良くて旧小渋橋の向こうに残雪の赤石岳が綺麗に見えました。新小渋橋手前には小さな駐車場があって、その隣には映画では原田芳雄が演じた善ちゃんのお店「ディア・イーター」があり、ここを見るのも今回の目的でしたので失礼して勝手に写真を撮らせて頂きました。
さて、せっかくなので、ここで採れる山塩を買おうと観光案内所の隣のお土産屋さんへ行くと売り切れとの事。聞けば山塩は大鹿村にある山塩館という温泉旅館だけが岩塩ではなく源泉から塩を採っているので量も少なく、入荷数もその日によって違うとのことでした。

ディア・イーター

 なぜこの地域の源泉が塩泉なのかはいまだにわかっていません。
群馬県の藤岡市鬼石に八潮温泉がありますがそこの温泉はフォッサマグナに位置していて大昔は海、その後の地殻変動で閉じ込められた海水が湧出している化石海水という説があります。大鹿村には中央構造線博物館もあるくらいですから、ひょっとしたら…勝手な推測です。
 なんとか山塩を手に入れたいと観光案内所で聞くと、少し離れたところに塩の里という産地直売所がありそこでも扱っているとの事、さっそく行ってみると僅かに残っていました。但し、一人一袋までという事で50g入り550円。高いなあ~と思いましたが、ここまで来て買わない手はありません。

鹿塩温泉・山塩

 大鹿村は伊那の高遠方面からパワースポットのゼロ磁場、分杭峠を越え天竜村、静岡県浜松市の秋葉神社に続く秋葉街道沿いにあり、夏は秋葉街道を通って静岡方面からの観光客も多いそうです。今回は4月の中旬で桜の季節、高台にある桜の名所大西公園は満開、良いタイミングで訪れることができました。
買い物を済ませ、帰りは秋葉街道を分杭峠経由で帰ることにしました。
観光案内所の人は、そんなに悪い道ではないと言っていましたが、峠に近づくにつれて道幅が狭くなり、対向車も無い寂しい道中、「この貴重な塩で我家はいったい何を食べるんだ??」と思いながらハンドルを切りました。