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脇見運転厳禁 ビューポイントの里「長野市中条」

掲載日/2025年6月上旬

 信州の郷土料理と言えば「おやき」が有名ですが、長野市から白馬・大町方面に向かう途中の山間地、小川村、長野市中条・信州新町・七二会・小田切の各地区は西山地域と呼ばれ「おやき」発祥の地と言われています。
「おやき」は稲作に向いていない山間の地域で小麦や蕎麦の粉を混ぜ中に野菜などの具を入れて囲炉裏の灰で焼いたものが始まりと言われています。虫倉山の傾斜地にある長野市中条地区には伝統的な「灰焼きおやき」を製造販売している「やきもち家」という公共の施設があるので、今回は「灰焼きおやき」を買いながら中条地区を訪ねてみることにしました。


やきもち家

国道19号線を白馬方面に向かい県道31号線経由で県道401号線を上っていきます。すれ違いできないほど狭い場所もありますが15分程上ると葺屋根の「やきもち家」に着きました。「やきもち家」は古民家を改修した温泉もある宿泊施設で日帰り入浴や食事もできます。建物の下は谷になっていて眼下には点在する家や畑、目線を上げると遥か遠くに山並みが見えるとても景色の良いところです。
ここの「おやき」の具の種類は野沢菜、切り干し大根、ピリ辛の3種類。各1個づつ注文し出来上がるのを待っていると支配人さんが出てきてくださいました。

「景色が良いし静かな所ですね」と言うと「同じ信州人でもここは別世界と言いますよ」と笑っていました。最近は地域の活動もあって移住者が増えているそうで支配人さんもこの土地に魅かれて移住したとの事でした。熱々のおやきが出来上がってきて見ると、当ホテルがある地域ではあまり見かけない饅頭型の「おやき」でちょっとびっくり。帰ってから食べることを伝えると温め方のレシピをくださいました。

山姥の里 信州中条ビューポイントマップ

フロントに「山姥の里 信州中条ビューポイントマップ」というイラストの地図があって、とても分かりやすく描かれていました。ビューポイントは斜面全域に点在していますが、下ったり上ったりは大変なので県道401号線を白馬方向に走り、地区の外側のビューポイントに寄りながら山を下りる事にしました。
> 山姥の里 信州中条 ビューポイントマップ(PDF)|発行元:中条山岳会・中条地区住民自治協議会

菜の花の絨毯

道中には「夢の大パノラマビュー!夢の駅」というビューポイントがあって、菜の花畑とアルプスが一望できるとあるのでこの時期はここが一番の見所になりそうなので行ってみることにしました。
「やきもち家」から10分くらいで「小林野沢菜園」と書いてある案内看板があり、菜の花やこいのぼりの写真があったのでたぶんここだと思い看板に沿って坂を上りました。

駐車場は車20台程が止められる広さですが5月5日でも空きがあってラッキーでした。
菜の花畑の方に歩くと黄色い絨毯がずっと先まで広がっていてバックにはアルプスの大パノラマ、想像以上の景色でびっくり!アルプスが綺麗に見える場所は沢山ありますが、菜の花の絨毯とセットは他に聞いた事がありません。こどもの日に合わせて100匹ほどのこいのぼりが嬉しそうに泳いでいてなんだかこちらまで元気がでる爽やかな信州らしい景色でした。

ここは野沢菜畑で、毎年11月になると野沢菜を自分で収穫して持ち帰る「お菜取りツアー」が開催される場所としても知られています。 この菜の花は収穫されたあとに残った株から出てきたものです。敷地内には「夢の駅」という建物があって、この日はお休みでしたがイベントがある時には開業するようです。イベント日はおそらく混むと思いますが、これだけの景色が見られて駐車場も無料というのはうれしい限りの超穴場です。

無人の休憩所「道しるべ」

ビューポイントマップでは県道401線をさらに走ると「のどかな棚田ビュー」があり、その先には「道しるべ」という休憩所あると描かれています。そこから山を下ると「アルプスビュー」、更にくだると中条地区でおやきを販売しているもう一軒、「田舎カフェ」というお店があります。今回はこのルートで現地レポートは終了することにしました。

「夢の駅」から5分程度走ると水車小屋と「むしくら共和国 山姥の里」という看板がありました。この地域には山姥伝説があるようですが詳しくは調べるのは次回にすることにします。
水車小屋からすぐのところに無人の休憩所「道しるべ」がありました。主に虫倉山登山者向けの施設のようで登山者名簿が置いてあり、トイレや無料のロッカーも設置されていました。新しいので最近できたようですが来訪者には随分親切な所だなと思いました。建物の下には「栃倉の棚田」があります。規模は小さいですが景色が良いので日本棚田百選に選ばれています。

「道しるべ」を出てから下り始めると再び北アルプスの大パンラマが見えてきました。夢の駅よりずっと近くに見えてすごい迫力です。
ガードレールの無い場所もあるので脇見運転は禁物、前方に駐車場のような場所があったので車を止めました。
「アルプスビュー」という案内は見当たりませんが、視界すべてに北アルプスが入って、この場所が「アルプスビュー」のポイントに間違いないと思いました。

北アルプスの大パンラマ

更に下ると「おやき」というのぼり旗があり、案内に沿って脇道を入ると「田舎カフェ」がありました。
駐車場に車を止めると本日定休日の案内があり中に入って確認するとやっぱり休み、この店の「灰焼きおやき」も買ってみたかったのですが、残念。
今回は諦めて帰路に着きました。

おやき

帰ってから早速「やきもち家」で購入したおやきを温めて食べてみました。
囲炉裏で焼いた焦げ目と形が手作り感いっぱいで具もたっぷり、今まで食べていた「おやき」とは食感が違い素朴な味が楽しめました。

中条地区はおやきの発祥の地域と言われるように稲作に厳しい環境でしたが、南向き斜面はどこも日差しを浴びられる明るい景色が広がっていて、「ビューポイントの里」と言ってもいいのかなと思いました。これからの季節、のんびりドライブにはお勧めです。